はじめに…

「芸術は爆発だ。」という言葉や、太陽の塔といった芸術作品のイメージがわく岡本太郎さんについて、それ以上を知らず、過ごしてきました。

たまたまこれまでの購入履歴からおすすめの本に並んでいたこともあり、タイトルに惹かれて「自分の中に毒を持て」岡本太郎著を読みました。読みました。

読書感想

「自分の中に毒を持て」は、岡本太郎さんによるエッセイです。飾ることも無く、押し付けることもない、真正直な方であることが伝わってくる岡本太郎さんの言葉には、読み手の心に響く強さが溢れていました。

人生は積み重ねだと誰でも思っているようだ。ぼくは逆に、積みへらすべきだと思う。財産も知識も、蓄えれば蓄えるほど、かえって人間は自在さを失ってしまう。過去の蓄積にこだわると、いつの間にか堆積物に埋もれて身動きができなくなる。

人生に挑み、ほんとうに生きるには、瞬間瞬間に新しく生まれかわって運命をひらくのだ。それには、心身とも無一物、無条件でなければならない。

捨てれば捨てるほど、いのちは分厚く、純粋にふくらんでくる。(「自分の中に毒を持て」本文より抜粋)

この人生についての言葉には、これまでに見聞きしたことのない考え方との出会いに良い意味でパンチをくらったような衝撃を覚えました。

何事も積み重ね、といった風潮がある中で、積み減らすという考え方を知ると、そうなのかもしれない、と気持ちが揺らぐのだから、人の言葉というのは不思議な力があると思います。

何か、これと思ったら、まず、他人の目を気にしないことだ。また、他人の目ばかりでなく、自分の目を気にしないで、萎縮せずありのままに生きていけばいい。これは、情熱を賭けられるものが見つからないときも大切だ。つまり、駄目なら駄目人間でいいと思って、駄目なりに自由に、制約を受けないで生きていく。(「自分の中に毒を持て」本文より抜粋)

このあたりの岡本太郎さんの言葉の加減が絶妙に思いました。他人の目を気にしないこと、というのは、わりとありふれた言葉であるところだと思いますが、自分の目を気にしない、というのは、なかなか気づかない、あるいは気づかないふりをしがちなことです。

そして、駄目なら駄目人間でいいと思って、駄目なりに自由に、というのも、希望が湧いてくるような気持ちになりました。

最後に…

「自分の中に毒を持て」では、岡本太郎さんのご両親のことやご自身の歩んでこられた人生のこと、恋愛のこと、様々なことが綴られていました。

「自分の中に毒を持て」を1冊読み終わる頃には、どこか晴れ晴れとした気持ちになれるお話ばかりで、素敵な出会いとなりました。