はじめに…

「旅猫リポート」有川浩著を読みました。

久しぶりに読んだ有川浩さんの作品、「旅猫リポート」は、野良猫のナナが主人公のお話でした。

読書感想

野良猫のナナと、瀕死のナナを救ったことから一緒に暮らし始めた悟の物語である「旅猫リポート」は、悟がある事情からナナを手離さなければならず、かつての旧友を訪ねて旅することで、悟自身のこと、友人との思い出など様々なことが綴られていきます。

「旅猫リポート」では、ナナを引き取ってもらうために悟とナナが、かつての旧友たちのところへ訪れると、悟の子供時代のこと、高校生の頃の話、友人達との懐かしい話が出てきたり、その土地ごとの素晴らしい景色や、悟の友人達の様子をナナの目に映るものとして、ナナ目線で綴られていました。

「旅猫リポート」の醍醐味は、なんと言っても、ナナと悟の言葉を交わさずとも繋がっている絆だと思います。「旅猫リポート」のストーリーが進むにつれて、悟とナナの絆の強さには胸が張り裂けそうな気持ちになりました。

「旅猫リポート」で描かれる悟の友人たちの元で出会った犬や猫たちとナナのやりとりは、ナナたちの思っているところと悟たちが汲み取る様子とは、異なっているところが本人達のみぞ知る、という読者のそばにいるかもしれない愛犬や愛猫、その他ペットたちの姿に重ね合わせてしまいそうでした。

「旅猫リポート」の旅するきっかけ、動機となる愛猫を手離さなければならない悟の事情というのは、読む前からなんとなく察してしまうところがあるものです。

それでも、「旅猫リポート」の中での悟とナナの絆、悟と友人たちの関係、悟と叔母との関係を読みすすめていくと、自然と感情移入をしてしまい、こらえきれない感情が生まれました。

「旅猫リポート」で描かれるものは、物語の中の話とはいえ、現実のすぐそこに起こりそうな話でもあり、こういうところに有川浩さんの作品を読みたくなる魅力が詰まっていました。

たった1匹の猫の存在で繋がっていく関係、とも見て取れる物語でもある「旅猫リポート」は、読み進めたい気持ちとまだ読み終えたくない気持ちの葛藤すら生じました。

最後に…

「旅猫リポート」は、猫の気持ちや好きなもの、生態がわかったような気持ちも湧いてきますし、猫好きでもそうでなくとも心に響いてくるような身近なペットと人との絆が描かれた素敵な1冊でした。

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