はじめに…

以前、「社会人大学人見知り学部卒業見込」を読んで、若林正恭さんの言葉だとかに魅せられてしまい、新作「表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬」を手に取りました。

読書感想

「表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬」は、若林正恭さんのキューバ1人旅にまつわるエッセイです。

まずは、仕事で訪れたニューヨークで感じたことから、エッセイが始まりました。

ニューヨークはどこへ行っても金とアドレナリンの匂いがした。

(「表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬」本文より抜粋)

ニューヨークという街について、カッコイイ、おしゃれといった言葉は数あれど、金とアドレナリンの匂いがした、という表現に、未だ訪れたことがないニューヨークへ私は思いを馳せました。

 

勝っても負けても居心地が悪い。

いつでもどこでも白々しい。

持ち上げてくるくせに、どこかで足を踏み外すのを待っていそうな目。

祝福しているようで、おもしろくなさげな目。

笑っているようで、目が舌打ちしている。

(「表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬」本文より抜粋)

日常のどこかで、若林さんの言葉にあるようなことを感じることが少なからずあります。言葉にするかしないかは、さておいても、こういった思いを抱くことは多々あると思いました。

あれこれと綴られつつ、いざキューバへの旅が始まると、行ってみなければわからないことに出会うもので、キューバで出会った現地ガイドの方との出会いには、クスッとさせられました。

このエッセイのタイトルにもなった、カバーニャ要塞での野良犬との出会いのエピソードには、若林さんの言葉から野良犬という言葉の持つ意味、ある種の魅力を感じ取ることができました。

日本を発つ前に新自由主義に競争させられていると思っていたが、元々人間は競争したい生き物なのかもしれない。

(「表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬」本文より抜粋)

キューバ人のガイドとのふれあい、キューバ在住の日本人の案内で出かけた場所、1人で過ごしたビーチ、それぞれに若林さんだからこその着眼点があり、距離感が感じられるエピソードばかりでした。

景色が良かった、食べ物が美味しかった、だとかで終わらないところが、若林さんの1人旅だからこその収穫なのだろうな、と思いました。

最後に…

「表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬」は、若林正恭さんの1人旅でありながら、若林さんの子供の頃の話、お父様のことにも繋がるところもあり、濃密な旅であったことが伝わってきました。

1度読み終えてみたものの、すぐさま読み直したほど、キューバへの旅のことだけではない、生きていくこと、暮らしていくことを考えさせられる内容でした。

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