「妹と猫」奥田徹著を読んだ。

「妹と猫」は、このタイトルの作品以外にもいくつか収録されている短編集だ。

いくつか収録されている作品のうち、「ヨビダシガカリ」という作品の部分的なものが記憶に残った。

同窓会の誘いをきっかけに繰り広げられていった、主人公と学生時代のマドンナ的存在の女性のやりとりで、あえて聞いていない、探っていないからこその都合の良い解釈をお互いにしているだろうな、と思える描写になんとも言えない気持ちになった。

都合の良い解釈は、大人になればなるほどするような印象があり、気づかないうちに、あるいは気づかないふりをして、私も日常的にしていると思う。

話は変わって、「妹と猫」は、自殺未遂をした妹と一時的に同居することになり、妹に振り回される主人公の話だ。

妹の人物像は、こういう女の子いそうだな、と思いつつ、どこか憎めない愛嬌みたいなものが垣間見えた。

主人公がひょんなことから再会した同級生とのやりとりが、とても楽しそうで、もう少しこの同級生とのやりとりを眺めていたくもなった。

「妹と猫」という作品の中で、幾度も登場する猫の存在は、ある種のファンタジー要素もはらんでいた。小難しく捉えたりする必要はないだろうけれど、子供時代の思い出は、それぞれに記憶違いをしていることもあるからこそ、これもまた個々に都合の良い解釈が必要なのだよな、と思った。