はじめに…
「うつヌケ うつトンネルを抜けた人たち」田中圭一著を読みました。
私の近しい人の中にも、うつ病と向き合っている人もいて、私自身も知っておきたいな、と思ったので「うつヌケ うつトンネルを抜けた人たち」を読みました。
読書感想
「うつヌケ うつトンネルを抜けた人たち」は、著者の田中圭一さんを筆頭に、うつ病を経験した人々へのインタビューを通して、うつ病がどういったものなのか、ということも含めてわかりやすい描写で説明されていました。
たとえば、著者の田中圭一さんがうつ病になったきっかけとして、
1.自分に合わない職場で無理してがんばる
2.うまくいかず「自分をきらい」になっていく
すると きらわれた体(や脳)は心に対して反抗する
というものがありました。
うつ病になるきっかけ、というのは、それぞれだと思いますが、田中圭一さんの例は、誰にだって当てはまりそうな事柄のように思えましたし、どんなことでも自分に負荷をかけすぎてはいけないな、と思いました。
「うつヌケ うつトンネルを抜けた人たち」は、インタビューされた人々のうつ病になったきっかけのみならず、うつ病を乗り越えた方法も記載されていたので、とても参考になりました。
インタビューされた方々の中には、医師のゆうきゆうさんもいらっしゃり、ゆうきゆうさんのインタビューでは、うつ病になりやすい人のことも描かれていました。
この他に、うつ病ではなく、双極性障害、多重人格のことを描いているエピソードもあり、偏見を持って捉えられがちなことをわかりやすく説明されていること、具体例もあったことで理解が深まった気がします。
うつ病は、再発することもあり、完治することが難しいこと、うつ病が完治したように思えてもうつ病のような症状が出る気候の変化や環境の変化等があることなど、「うつヌケ うつトンネルを抜けた人たち」を読むまでは知らなかったことを知るきっかけになる1冊になりました。
自分を否定するものからは遠ざかり
自分を肯定してくれるものに近づこう
(「うつヌケ うつトンネルを抜けた人たち」本文より抜粋)
この抜粋した文章は、「うつヌケ うつトンネルを抜けた人たち」を読んでいく中で、特に心に響いてきた言葉です。うつ病でなくとも、この言葉は、誰にでも大切にしてほしい言葉であり、行動にしていきたいもの、に思えました。
また、うつ病を心の風邪ではなく、うつ病は心のガンという表現がありましたが、なぜ心のガンなのか、ということもしっくりくる内容が描かれていたのが、印象的でした。
最後に…
うつ病は、誰にでも起こり得ることだからこそ、自分のために、身近にいる大切な人のために知っておきたいことが描かれている1冊として「うつヌケ うつトンネルを抜けた人たち」は、学ぶことの多い内容ばかりでした。
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