「酒から教わった大切なこと 本・映画・音楽・旅・食をめぐるいい話」東理夫著を読んだ。
ここ数年、お酒との付き合い方をほんの少し楽しめるようになってきた。それと同時に、お酒にまつわることにも興味を持つようにもなった。
本書を読むことで、お酒に関する誰かの話を知ることができれば、もっとお酒との関わり方が楽しめるかもしれない、と思った。
シャンパンは人の心をなごませ、人の顔に笑みを浮かばせる。怒りながらや、仏頂面ではシャンパンは似合わない。
(「酒から教わった大切なこと 本・映画・音楽・旅・食をめぐるいい話」本文より抜粋)
上記の抜粋箇所を目にした際、たしかにシャンパンはおめでたい場所、賑やかな場所で飲むようなイメージが強い。私自信が、シャンパンを飲んだことのあるシチュエーションを思い出してみても、誰の顔にも明るい表情がこぼれていた。
お酒には、その時々のシチュエーションやら気分などで似合うものがある、ということを改めて思い出させられた。
酒に頼ったり、酒の力を借りたりすると、たいがいは裏切られてうまくいかない。酒は結構いいやつだけれど、あれで案外に冷たいところがある。
(「酒から教わった大切なこと 本・映画・音楽・旅・食をめぐるいい話」本文より抜粋)
酒の力を借りて、という言葉もあるが、そうしたことをしようとしたところで、良い思いをすることばかりではない。
上記の箇所を読むことで、酒の良いところを上手に付き合っていきたいものだ、と思うばかりだ。
酒に対する態度は、年齢によって変わっていくものなのだ。
(「酒から教わった大切なこと 本・映画・音楽・旅・食をめぐるいい話」本文より抜粋)
抜粋箇所は、たった1行であっても、そこから考えることはいくらでもある。酒に対する態度、というものを、今まであまり考えてはこなかった。
しかし、思い返してみると、お酒を飲んでも良い年齢を迎えたばかりの頃は、賑やかに騒がしく飲んでいたような気がする。
年を経るごとに、だんだんと自分の適量がわかるようになってきたせいか、最近では誰かのお世話になるようなお酒の飲み方はしていない。
本書では、酒にまつわる著者の思い出が随所に見られるだけではなく、酒が登場する本、映画、音楽などが紹介されている。
本書を読むまでは、酒が登場する作品について気にしたことはなかった。本文を読むごとに、読んでみたい本、観てみたい映画、聞きたくなる音楽、行ってみたい場所が増えた。
また、本書で紹介されているお酒の飲み方なども魅力的で、とても興味をそそられる内容だった。
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