「イグナシオ」花村萬月著を読んだ。

花村萬月氏の作品を読むのは、今回が始めてだ。

読み始めると、イグナシオは、孤児として修道院で育ち、とても頭が良い美少年が、あるきっかけから殺人者となる、というようなストーリーだ、ということがわかった。

イグナシオが混血児として生まれてきたからこそとも言える美貌は、閉鎖的な修道院の中で、性的ないたずらや眼差しを受け続けて、生きてきたことが描かれている。

外部の情報がほとんど入らぬ修道院の中で、同性愛者の修道士からの視線を受けたり、修道女からの羨望の目を受ける、というほどの美貌は、修道院を出てからも、良かれ悪かれ周囲の者たちを惑わすこととなった。

イグナシオは、3人の女性と関わることで、女性がどんな生き物なのか、を知る。

女性との関わりを持つことで、修道院で学んだ聖書のことだとかに自分なりの答えを見出したようにも読み取れた。

イグナシオにしても、女性たちにしても、それぞれに恋愛の甘ったるさを感じるよりも、誰かを思う苦しさ、痛みが伝わってくるようだった。

また、誰かに自分の弱みを握られる、ということがどんなことを意味するか、も新宿歌舞伎町での暮らしでイグナシオは、十分に学び、思い知ったように読み取れた。

作中の人物の言葉はうろ覚えではあるが、美しすぎるものは天使か悪魔か、ということを考えさせられる作品だった。

 

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