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【読書感想】ふがいない僕は空を見た

読書
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「ふがいない僕は空を見た」窪美澄著を読んだ。

本書は、連作長編となっており、各章を読むごとに、登場人物たちが抱えているものが見えてくる。

イベントで出会ったコスプレやアニメが好きな主婦と不倫している男子高校生のこと、その男子高校生に想いを抱いている同級生の女の子のこと、そして、その男子高校生の母であり、助産師をしている女性の話など、全てがどこかで繋がっている。

男子高校生と不倫している主婦として描かれている女性は、彼女が主人公の章では義母の勧めで不妊治療をしていることが描かれていたりする。

誰かの姿、というのは見えている人にとって、実に都合の良い解釈として切り取られていることがほとんどである、ということが否応なく伝わってくる描写が、それぞれの章ごとに浮き彫りになる。

また、むやみやたらと誰かへの嫌がらせ、噂話をするなど人の嫌な部分が描かれていたりもしたことが印象的だった。

本作品を読むことで、人が生きていく上での生と性が自分にとってどんなことなのか、を思い浮かべていた。