「虐讐」龍一京著を読んだ。
本作品は、主人公の元警察官の女性が、警察官の夫と4歳の息子が何者かに殺されてしまったことから、物語が始まる。

警察の捜査に疑念を持った主人公は、信頼がおける協力者を警察内部にもったことで、独自の捜査をしつつ、夫と息子の命を奪った者たちへの復讐を遂げていく。
夫と息子の無念を晴らすための決意の表れとして、主人公が身体に刺青を彫ったところには、ただならぬものを感じた。
警察内部の者たちとの駆け引きなど含め、誰を信じるべきか、自分がどうすべきか、という主人公の心理戦なども読みごたえがあった。
復讐に燃えるおどろおどろしいストーリーではないところが、この作品の魅力だと思う。