【読書感想】ある男

読書

「ある男」平野啓一郎著を読んだ。

ある女性の亡くなった夫が、実は全くの別人だった、という依頼を弁護士が引き受けたことでストーリーが始まる。

依頼を受けた弁護士自身は、自分自身のルーツであったり、家族のことで悩んでいることがあり、依頼に関する探偵の真似事をしていることで、気を紛らわせるようにしているのも、印象的だった。

向き合うべき、と思っていることほど、どう踏み込んでいくべきか迷う。

家族のこと、自分のことなら、尚更躊躇することもある。

真相に近づくにつれ、いろんなことが明らかになると、そんなことが起きるのか、と驚かずにはいられない。

かと言って、目の前にいる他人が本当にその人なのか、別人が成り代わっているのではないか、と疑う気持ちが芽生えることはない。

また、本作品では夫であった人の本当の名前や出自を知った女性が、幸せな時間を過ごす為の必要な嘘だった、というような心中を描いている。

誰かのルーツが、自分にとって好ましくないものであったり、それらを受け入れ、愛することができるのだろうか、ということを考えてみたりした。

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