「旅したからって、何が変わるわけでもないけどね…。」河村三太夫著を読んだ。
本書は、河村三太夫さんが世界中を旅した際、出会った人々とのこと、地元料理のことなどを描いたコミックエッセイである。
河村三太夫さんの姿は、南米に生息する動物・アチューニ(アカハナグマ)に置き換えて、旅のエピソードが紹介されている。

アチューニが旅先で出会った旅仲間との会話から、本書のタイトルにも繋がっている、というのもなんか良いな、と思った。
旅先で自分探し、なんてものは求めない方が良い。
ただ思うがままに、行きたい場所へ行き、見たいものを見て、食べたいものを食べる、という旅行の方が、気負いなく楽しめる。

また、アチューニが、様々な国でぼったくられそうになった時、現地の人々が手助けしてくれた、というエピソードがいくつもあったのも印象的だった。
身をもって経験するからこその学びがあり、出会いがある。
旅したからって、ひと皮剥けた、なんて都合の良い話にはならないけれど、他人とのやりとり、知らない味に出会うこと、文化を知ることは刺激になるはずだ。