「こだわりバカ」川上徹也著を読んだ。
本書は、コピーライターである著者だからこその巷に溢れかえる“空気コピー”を指摘し、常套句を用いないコピーが持つ言葉の力について述べられている。
例えば、よく見かける空気コピーとして、“こだわり”、“厳選”といった言葉が挙げられていた。
上記の言葉から察するに、本書のタイトルは空気コピーともリンクするものとなっている。
いい商品だから売れるわけではない。
いい商品だと思われた商品が売れるのです。
おいしい料理だから売れるわけではない。
おいしそうと思われた料理が売れるのです。
「こだわりバカ」本文より抜粋
見た人の記憶に残ったり、試してみたくなるような言葉で広告コピーを仕上げる、というのは、上記のような前提あってこそ。
本書では、商品の広告コピーのみならず、企業や大学のコピー、果ては書店のPOPなどまで多岐にわたる内容が例として述べられている。
手垢がついた常套句ではないオリジナルな言葉で、商品の価値を訴えることが大切なのです。
「こだわりバカ」本文より抜粋
どこかで見かけたことがあるような言葉の組み合わせではなく、その人らしさ、その店らしさなどが垣間見えるような言葉でアピールすることの大切さは、本書を読み進めていくと、納得できる。
様々な企業や店のコピーを見てきた著者だからこそのコピーだけではない、その他にも通じる視点は、本書を読んで良かった、と思っている。