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【読書感想】殺人勤務医

読書
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このところホラー小説にハマっていて、「殺人勤務医」大石圭著を読んだ。


本作品の主人公である中絶手術専門医・古河が、勤務先の院内では甘いマスクと人当たりの良さから好印象である一方で、自宅の地下室ではターゲットにした人を監禁した上で残忍な殺し方をする、ということを繰り返していることが描かれている。

古河が、繰り返し無残な殺人をしているのは、彼が過去に実母から虐待されていた上に、見捨てられたことが根底にあることを匂わせている。

恐ろしいことを繰り返している人とは思えないほど、1人の男性として恵まれているような描写がある。

淡々と殺人を繰り返し、自分が逮捕されることも近い将来のこととして予測するような古河の冷静さがあり、自分のことよりも、一緒に暮らし始めた犬のことを気に掛ける様子からも、彼が思うほど“生まれながらの殺人者”ではないように思った。

本作品を読んでいると、なんとなく病院が持つ雰囲気や訪れる人々の事情なども描かれていて、医療に携わる人々の苦労を垣間見たような気がした。実際のことはわからないけれど、他人の命を預かる、ということで恨み妬みを持たれやすいのだろうな、と想像した。

主人公・古河は、一見なんの不自由もなく満たされた生活をしているような顔をして暮らしているものの、日々の生活で獲物を探しているようなところもある。彼がターゲットにする人々のしてきたことの酷さを考えると、なんとも言えない気持ちになった。

フィクションではあるものの、現実で見かけたことがあるようなものが掘り起こされたような作品だった。