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【読書感想】現代百物語 不実

読書
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岩井志麻子さんによる、現代百物語シリーズ第9弾「現代百物語 不実」を読んだ。現代百物語シリーズは、どれも岩井志麻子さんの友人・知人・友人から聞いた実話、岩井志麻子さんが体験した実話をもとにしたものが語られている。どれも実話ではあるが、人物や環境などが特定されぬよう脚色されている、とのことだ。 現代百物語シリーズは、99話までで100話目を語らず、あとがきで締めくくられている。


この現代百物語シリーズは、国内外問わず誰かがどこかで体験した実話、と考えると今この瞬間にも、どこかで怖いことが起きていてもおかしくない。

本書で語られている、ある話を読んでいる時、自分の住まいに関して、家族の不在などを含めて、あまりいろんな人に言ってはいけないな、と改めて思った。防犯と言ってしまえばそこまでだが、よからぬことを考えている人に、つけ込まれてしまうのはごめんだ。

現代百物語シリーズを読んでいると、生きている人間の怖さが語られている話が多いが、幽霊などの話について、そうなのかもしれないな、と思うことがあった。下記の通りである。

 実は幽霊の姿や声が残されているのに、気づいていないというのは他にもけっこうあるのかもしれない。

「現代百物語 不実」本文より抜粋

心霊写真、録音した音源に入り込んだ声などについて、上記のようなことが述べられていた。いずれにしても、あまりにもぴったりと溶け込んでいて不自然さがないものだと、そういうものだとして受け入れていることがありそうだ。

私とて、霊感などの類はさっぱりだから、それっぽい写真が光の加減などで処理されているのか、写り込んでしまったのかなど見分けがつかない。音源などは、よほどの不自然さがなければ、きっと気づかないだろう。

現代百物語シリーズを読めば読むほど、世の中にはいろんな人がいるんだな、と思う。怖い話というのも、それぞれの怖さがあることが語られている話の数だけある。

ここで語られている話はどれも、例え話にされるようなトイレなどに行けなくなる怖さ、というよりも、他人に接する時に慎重になっていくような怖さが蓄積されていく話と出会っているような気がしている。