短編集「誰もいない夜に咲く」桜木紫乃著を読んだ。どの短編作品も、舞台は北海道の街のどこか。
収録されているどの作品でも主人公たちが、なにかを諦めているような女性ばかりが描かれているように読み取れた。
描かれている女性たちは、湿っぽいところがあまり見受けられず、さっぱりしているとも言い難いような人たち。男性に寄りかかっているのではなく、どちらかというと精神的に自立しているような女性が描かれている。
バリバリのキャリアウーマンとまではいかないけれど、自分がどう生きていくのかを手繰り寄せる力に長けているような女性ばかりだったように思えた。
この短編集を読むことで、女性のたくましさがほどよいバランスで描かれた短編作品に出会えた。