グルメ小説とでも言うべきか、そそられるものがあり、「居酒屋がーる」おかざき登著を読んだ。
本作品は、タイトルからも察する通り、とある居酒屋が舞台になっている。ストーリーの中心人物ともいうべき、3人の女性が、ひょんなことから居酒屋で出会い、親しくなっていく。
育った環境、年齢や職業など、あらゆるものが異なるけれど、出会った居酒屋という共通点があり、居酒屋で顔を合わせるごとに親しくなっていく、というのは大人だからこその交流と言えそう。
チェーンではなく個人店らしき居酒屋が舞台となっているのも、季節のメニューやそれらに合わせるお酒の話と合わさって、幾重にも楽しみが増す。
3人の女性が居酒屋で顔を合わせるストーリーばかりではなく、それぞれの異なった組み合わせ、それに伴う心中なども描かれていて、どれも魅力的だ。
こんなにも親密になれる出会いがあるならば、どこかの常連客になるのも楽しそうだな、と思えるストーリーだった。