「東京カウガール」小路幸也著を読んだ。
本作品は、主人公であり、カメラマン志望の大学生でもある木下英志が、とある公園で夜景を撮影していると、偶然、殴打事件を目撃してしまうことから始まるサスペンスストーリーだ。
木下英志は、殴打事件をただ目撃したのではなく、犯人に見つからぬよう身を潜めつつ、カメラで写真・動画を撮影してしまったことから、後日、叔父にすべてを相談する。
そして、木下英志は殴打事件の犯人には見覚えがあり、ふとした偶然から、その犯人と出会ってしまう。殴打事件の真相を知る為に、木下英志は叔父に相談しつつ、犯人とも親密になっていく。
本作品は、サスペンスでありながら、ラブストーリーでもあり、家族の物語でもある。登場人物には、とんでもなく驚くような経歴の持ち主がいるなど、エンターテイメントとして充分に楽しめる。
また、余談ではあるが、実在するエンターテイメント作品などについての描写などもあったことが、フィクションでありながらもあたかも身近な誰かの話を読んでいるような親しみを覚えた。