「ルーム」新津きよみ著を読んだ。
本作品は、家族と絶縁状態の姉が急死した連絡を受けた妹が、姉の遺品整理をするうちに1人暮らしをしていた姉の秘密や葛藤などを知る、というようなストーリーだ。
あまり多くを語ってしまうと、ネタバレになってしまうので私なりにほどよく語れたら、と思い以下に綴る。
数年前に妹の見合いの席に、たまたま居合わせたことで姉が余計なことを口走ったことで、家族と疎遠になり急死するまで孤独に暮らしていたらしい姉。姉の遺品整理をしていくうちに、姉とつながりがあったという人々と関わったことで生前の姉の姿を見出す妹の姿。
女性として生まれたが故に、“あるべき姿”であったり、“娘だから”こそあてにされることなども描写されている。
“女性だから”ということを、良くも悪くも表現されていて、読んでいると自分に重ね合わせてしまいそうになるシーンもあった。
ミステリーという意味合いでは、そんなにヒヤリとすることもなく、落ち着いて読めた。