「死ぬ、消える、終わる」をコンセプトにした実話怪談を中心にまとめられている、というところが妙に気になって、「実話怪談 毒気草」神沼三平太著を読んだ。
本書は、著者の「草シリーズ」第3弾とのことだが、あいにく私は前作・前々作ともに未読ではあるものの、充分に楽しめた。
全26話収録されており、いわくつきの物品、土地や場所にまつわるもの、誰かからの怨みや呪いの類など、なんとなく後味が悪いような話が多かった。本書を読むことで、“障り”が生じてしまう人がいるかもしれない、という著者の言葉も怖さをより引き立てるものになっていた。
語られている話は、どれも実話だからこそ文脈から伝わってくる雰囲気みたいなものが、どこか禍々しい。どこの土地なのか、というのもぼかされているものが多いのも、多くを語りすぎない、という点でありがたい。
どの話も、ボリュームがちょうど良く、前述のように不気味なものばかりだった。こういった話を読むのは、怖いもの見たさでやめられそうにない。