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【読書感想】終わらせ人

読書
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 「終わらせ人」松村比呂美著を読んだ。

 本作品は、主人公・祈子が、実母が亡くなった、という連絡を受けたことから、赤子の頃に自分を手放した実母が“ある秘密”を抱えていることを知ることとなる。

 祈子は、父方の祖母に育てられ、フリーライターをしている。連絡を絶っていた実母の遺品整理をし、各種手続きをしたところ、母が暮らしていた洋館で暮らすことを選んだ。洋館で暮らし始めた祈子のところに、見知らぬ人が訪ねてきたり、生前の母と交流があった人との出会いから、徐々に実母の秘密や生き様のようなものを理解することとなった。

 実母の秘密を知るにつれ、実は祈子にも不思議な力を持っていることに気づく。その不思議な力こそ、本作品のタイトルにも繋がるものだ。

 ほんの少しホラーのようにも受け取れる作品だけれど、親と子の関係であったり、夫婦のことなど、人と人との繋がりのみならず、苦悩についても描かれている。

 不思議な力を持っていることで、誰かの苦しみを解放して、その苦しみの原因になっている人を終わらせる、というのは作品の中でのファンタジーだけれど、こういう能力を持っていたら心身共に自分自身が削られていきそうだな、とも思った。

 物語としては、希望に溢れたとも言えなくはない、ラストでの微笑ましい光景を読み取れた。