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【読書感想】クジラアタマの王様

読書
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 作品の中で、謎のキャラクターとしてハシビロコウが登場することを知り、どんなストーリーなのか気になり、「クジラアタマの王様」伊坂幸太郎著を読んだ。

 これまでも伊坂幸太郎さんの作品を読んだことがあったけれど、数年ぶりに伊坂作品に触れると登場人物たちが、時折ユーモラスな会話をすることが、とても好きなことを読みながら思い出した。

 主人公は、とある製菓会社に勤務する岸という男性で、自社製品へのクレーム対応をきっかけに出会った男性と不思議な巡り合わせであることを知ることとなる。

 睡眠中に見る夢と現実が入り混じり、ストーリーが進む。

 作中では、2020年の世の中の状況を予測していたのではないか、とも思えるような描写があったりもする。

 大きなイベントを誘致したり、無駄な施設を建設するくらいなら、もしくは、コストばかりかかる事業を興すのならば、パンデミック対策に力を入れてくれたほうがいい、と個人的には思う。

「クジラアタマの王様」本文より抜粋

 これは、作中で主人公がふと思ったことが描写されているところなのだが、今まさにそんな気持ちだ、と言いたくなることが世の中で起こっている。インターネット検索をすると、この作品が、2020年の世界を予測しているようなストーリーであることが伺える。

 たまたま作品のストーリーが、この2020年の状況にピタリとハマるような出来事が描かれていて、登場人物たちの心理的状況も、私を含めて世の中の人々の心中に重なることが多い。

 もし、このストーリーの登場人物たちのように夢の中で戦い、敵と思しきものに打ち勝つことができて、現実をより安心して過ごすことができたら、なんて考えてしまう。

 なにはともあれ、「クジラアタマの王様」を読むと、昼間は会社員、夜はヒーローとして夢の中で活躍する、というような主人公たちの姿をエンターテイメント感たっぷりに楽しめる。