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【読書感想】遅く起きた日曜日にいつもの自分じゃないほうを選ぶ

読書
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 「遅く起きた日曜日にいつもの自分じゃないほうを選ぶ」スズキナオ著を読んだ。

 本書は、「深夜高速バスに100回ぐらい乗ってわかったこと」の続編にあたる、とのまえがきがあった。私は前作を未読ではあるけれど、「遅く起きた日曜日にいつもの自分じゃないほうを選ぶ」を読んだ。前作を読んでいなくても十分に本書を楽しめたけれど、前作を読んでいたら、さらに楽しめたかもしれない、とも思っている。


 さて、まえがきには、新型コロナウイルスによって生活様式が変わる以前とそれ以降の文章が1冊の中に混在している、とのことも記されていた。実際に本書を読んでみると、テーマごとに分けられていることもあり、生活様式の変化がスズキナオさんの日々としても読めて良かった。

 本書を読み進めていくうちに、スズキナオさんの片手には大体お酒があることに気づく。街歩き、旅行、登山など、どんなシーンでもスズキナオさんの片手には大体お酒があり、それがいつものことなんだな、と察する。自分を表すものだとか、自分をより楽しませるものであったり、そういう自分に欠かせない好きなものがあるって良いな、と思った。

 毎日生活している空間の中の、特にお気に入りの場所。そこにはその人が普段考えていることやこれまで生きてきた時間が詰まっているような気がするのだ。

「遅く起きた日曜日にいつもの自分じゃないほうを選ぶ」本文より抜粋

 これは、「家の中のお気に入りポイント「俺んち絶景」を見せ合ってみる」という話でのスズキナオさんの言葉だ。Twitterのタイムラインを眺めている時、フォローしている人の家の光景が映った画像が目に留まることがある。誰かのお気に入りポイントというものは、撮影する行為を含めて、その人の内面に触れるような日常会話とはまた違う味わいのあるもののようだった。

 「遅く起きた日曜日にいつもの自分じゃないほうを選ぶ」を読んでみたら、次の休日にでも真似してみようかな、と思うようなことから、誰かと楽しんでみたいことまで大人だからこそ楽しめることもある、と教えてもらえたような気がした。