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【読書感想】追懐のコヨーテ The cream of the notes 10

読書
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 毎年年末の近づいた頃、発売される森博嗣先生のエッセイシリーズ第10弾「追懐のコヨーテ The cream of the notes 10」を読んだ。


 本書には、2ページで深くて面白い上質エッセイ100編が収録されている、というシリーズが10作目まで続いていることも凄い。

 たとえば、森博嗣先生の日常として、オンラインストアで買い物をした際の配達物を都度受け取りをしなくても、自宅玄関前に置き配してもらえるようになって便利になった、というようなことなどが述べられている。

 たしかに、この数年で置き配、宅配ロッカー、コンビニ受け取りなど、ネットショッピングした際の受け取り方法が増えたし、宅配業者によっては公式サイトで会員登録しておけば、日時変更や受け取り方法の変更も容易になり、私も再配達の心配や手間が減った。

 ぱらぱらとページを捲るような偶然性が、ネットにはない。あまりにも、関連商品ばかりが出るし、自分好みのものばかりが現れる。
つまり、ネット検索に慣れているほど、狭い範囲に絞られた情報しか得られていないことに気づく。
これをなんとかしてほしい、と思うのは、贅沢な話だろうか。

「追懐のコヨーテ The cream of the notes 10」本文より抜粋

 これを読んだ際、ネットショッピングに親しみつつも、カタログや雑誌を眺め、ページを捲ることで出会えるもののほか、実店舗に足を運んだ時の買い物のことが思い浮かんだ。
また、ネットショッピングをする際も、これまでの購入履歴からおすすめされることで買い物の満足度が高まることもあれば、同じ物を見ている人が見たものを教えられてもピンと来ないこともある。こういったことについて、森博嗣先生と同様に望む人は結構いるような気がする。

 自分へのインプットが知らず知らずのうちに増えて、アウトプットが追いつかなくなる。だから太る。もちろん、インプットが悪いのではない。加減が必要なだけだ。インプットもアウトプットも、やめられなくなるとバランスが崩れて、最後は病気になる。

「追懐のコヨーテ The cream of the notes 10」本文より抜粋

 これは、ダイエットの話のほか、スマホの中のアプリの数、写真の数、ポイントやクーポンのこと、交友関係に至るまで、断捨離することを考えよう、という話だった。たまたまだけれど、私は少し前に引越しをしたことから、身の回りのいろんなものを断捨離した。以前から、物を溜め込まないように気を付けていたけれど、さらに処分したことで、現在はかなりスッキリしている。何事も溜め過ぎてはいけないな、と思い、今後も気をつけたい。

 「追懐のコヨーテ The cream of the notes 10」を読んでみたら、森博嗣先生の日常での変化、気づきなどは、読んでいる者にも当てはまることも多々あるであろう話題が多く、楽しめるものもあれば、良いヒントをいただいたものもあった。