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【読書感想】赤羽以外の「色んな街」を歩いてみた

読書
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 街歩きは結構好きだけれど、そんなに多くの街を知らない。だからこそ、誰かが街歩きをしているのを見たり、読んだりすることで、行ってみたい場所が増えたり、どこかの町への興味が広がっていくような気がする。

 そんな欲求を満たすべく「赤羽以外の「色んな街」を歩いてみた」清野とおる・パリッコ著を読んだ。


 本書は、清野とおる・パリッコによる連載が大幅な加筆および修正され、書き下ろし漫画、特別編が収録されたものが書籍化されたものだ。

 これまでにも、いくつか清野とおる作品を読んだことがあるが、清野とおると言えば、東京都北区赤羽周辺を描き、それと併せて酒場やスナックでの出来事を漫画にしているイメージだった。

 本書では、赤羽以外の色の名前が含まれる街へと繰り出し、気になった酒場やスナックで飲み食いしたもののほか、その店内でのハプニングなどが清野とおるによる漫画、パリッコによる文章で紹介されている。

 何も起こらず紹介されず終いの街もあったような記述を見かけたのも、真摯な仕事をされているのだろう、とも思えた。

 また、清野とおる作品のどこかで描写があったと記憶するが、訪れた街で酒場を飲み歩く際には、神社に参拝して挨拶をする、というようなことも含めて、街歩きのあり方を示唆するようなものを見かけると真似してみたくなる。実際のところ、私は清野とおる作品に触れたことで、街歩きの際、神社を見かけると参拝する機会が以前よりも増えたように思う。

 このほかにも、酒場で出会った、ある家族との交流なども紹介されていたのが、印象的だった。たとえどこかで誰かと出会ったとしても、その人の家まで遊びに行くほど親しくなる、ということが、私にはなかなか無いことなので、どこか羨ましくなる。大人になってから友達を作るのは難しい、とも思うし、見聞きすることもある言葉だけれど、この2人は、そんなことがないのだろうか。とはいえ、冒頭だったかパリッコが清野とおるについて、群れることを好まない人、というようなことを記述されていたけれど、波長が合えば、親しくなるのが大人の付き合い、というものなのかもしれない。

 「赤羽以外の「色んな街」を歩いてみた」を読んでみたら、こんなことってある?と思うようなこともあれば、ジーンと込み上げてくるような話もありつつ、酒とつまみを味わえる良い店のことが語られたりもして、おもしろかった。私は、夜に出歩くことが滅多にないけれど、こういう街歩きをしてみるのも良いかもしれない、と思った。