はじめに…

名前は見聞きしたことがあるような気がするけれど、どんな方なのか、どういう作風の方なのか、ちっともわかっていないままだった穂村弘さんのエッセイが、ふと目に留まり、「世界音痴」を読んでみました。

読書感想

「世界音痴」を読むにあたり、穂村弘さんについてインターネットで検索をしてみたら、歌人である、ということを知りました。歌人の方のエッセイ、というのは、どういう感じなのだろう、と思いつつ読み始めました。

「世界音痴」を読み始めて、穂村弘さんがご自身のダメなところをさらけ出しているところに共感しっぱなしとなりました。

「自己実現」と云えば聞こえはいいが、国とか故郷とか家族とか誇りとか道とか、自分よりも大きな何ものかとの関わりを喪失した(というか初めから持たない)私にとって、それは「自分かわいさの追求」とまったく区別がつかないものだ。

最後の拠り所であった恋愛に熱中できなくなってからの私には、もう<私>しか熱中するものがない。今の私の日常生活は、人間が「自分かわいさ」を極限まで突き詰めるとどうなるか、という実験をしているようなものだと思う。(「世界音痴」本文より抜粋)

自然な流れで寿司屋で注文ができないだとか、誰かが自然にできていることができない自分の不自然さだったり、飲み会での席でのことだとか、どこかで経験したことがあるようなことが綴られていると共感せずにはいられませんでした。

未来に焦がれる余り<今>という時間は、限りなくおろそかにされた。<今>を生きることの絶望的な困難さが、生のスポットライトを一瞬先の未来に逃がし続けたのかもしれない。(「世界音痴」本文より抜粋)

今という時間をおろそかにする、ということを自然としてやしないか、ということをふと自分に問いただすような気持ちになった箇所を見つけた頃には、穂村弘さんの持つ感覚に引き寄せられていました。

ちょっと格好悪いところに人を笑わせるような魅力すら感じる穂村弘さんは、どこか哀愁のようなものすら感じさせるものがありました。

健康おたくとはすなわち自分おたくのことであろう。(「世界音痴」本文より抜粋)

サプリメントを飲んだり、青汁を飲んだり、黒酢を飲む穂村弘さんではありますが、健康おたくについて自分おたくとしてしまうことには、ドキッとさせられました。

健康おたくを健康を保つこと、身体に良いことをすることが好きな人、として捉えていましたが、言われてみれば、自分のために繋がることであるからして、自分おたくなのだな、と妙に納得しました。

最後に…

「世界音痴」穂村弘著を読んでみたら、ちょっと格好悪いけれど面白い穂村弘さんの日常を楽しめました。いろんなお話の最後には、穂村弘さんの短歌だとかも詠めて、短歌の世界をほんの少し知るきっかけにもなりました。

また、青汁の話のところでは、穂村弘さんにとっての青汁の効果が魅力的に思え、青汁を始めてみたくなりました。

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