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【読書感想】鳥類学は、あなたのお役に立てますか?

読書
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 これまでに、いくつかの著書、インタビュー記事などを拝見してきた鳥類学者の川上和人先生の新刊が発売されていることを知り、「鳥類学は、あなたのお役に立てますか?」を読んだ。


 本書は、「鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。」の続刊とのことで、川上先生の研究にまつわる日々のあれこれが綴られている。本書の内容を語る前に、川上先生についてのおさらいのようなものを、ここに記す。
川上和人先生は、小笠原諸島を中心に、鳥類の生態や保全の研究、特に無人島での研究を得意とされている。これは、本書の冒頭にも記されているのを参考にした。

 さて、本書では、川上先生が小笠原諸島の島々での調査・研究の日々をユーモアたっぷりに紹介されている。川上先生が研究対象としている鳥、オガサワラカワラヒラについても、幾度となく語られていたことから、その名が登場するごとに脳内に刷り込まれていくようだった。

 私は、身近な生活圏内で見かける鳥をちょっと眺める程度だけれど、川上先生の本を読む度、鳥についても環境保全だとかについても無知だな、と思う。そして、無知な分野について、ちょっとばかり知恵をつけてみようか、とも試みたりする。それがいつまで続くのかも不透明なままだけれど、知らないことを自分なりに調べたりするのは楽しかったりする。

 また、本書に限らず、川上先生の本は、国内外のエンタメ要素を含んだ表現が多い。鳥類の研究にまつわることに絡める要素が、真面目なことからウィットに富んだものまで多岐に渡り、気づいた時にはニンマリしてしまう。

 世界には無数のイースターエッグが隠されている。お金はあるに越したことないが、無課金でもそこそこ楽しめる。双眼鏡一つあるだけでバードウオッチングへインザスカイである。

「鳥類学は、あなたのお役に立てますか?」本文より抜粋

 川上先生が言わんとしていることを自分の身に置き換えると、どんなことがそれに当てはまるのだろう。本書では、川上先生がプライベートで鳥を見る時間が減った、というようなことを述べられていた。
自分のことに置き換えてみても、確かに好きなことが仕事になったところで、四六時中それのことばかり考えないな、と思い至った。

 「鳥類学は、あなたのお役に立てますか?」を読んでみたら、図鑑などでは決して触れられないような鳥類学者の日常に触れることができたし、鳥類への興味が増した。