先日、書店のメルマガを眺めていたら、おすすめの本として、「好きになってしまいました。」三浦しをん著が紹介されているのが目に留まった。これまで、三浦しをん先生の作品、エッセイを購入し、読んだことが履歴に残っていることから、おすすめされることも容易に想像できたし、数年ぶりのエッセイだと思われることから読みたくなって、すぐさま本書を購入した。
「好きになってしまいました。」は、三浦しをん先生の日常、非日常などが綴られている。たとえば、三浦しをん先生がひとり暮らしをしている部屋で育てている植物のこと、その植物に関連して虫や鳥たちとの攻防であったり、野良猫のことなどが描かれている。
また、このほかにも三浦しをん先生は、お酒や食べ物のこと、旅先での出会いについてなどを述べており、どれもその光景を想像するのが楽しい内容ばかりだ。
他者の存在が、気配が、日常に輝きや、ときとして軋轢を生じさせる。この世界のうつくしさの根本は、やはり「多様であること」「自分の意のままにはならぬこと」にこそあるのだと、改めて思ったのだった。
「好きになってしまいました。」本文より抜粋
これは、「日常の観察者」という話からの抜粋だ。
本書は、2012年から2023年の間に、雑誌や新聞での連載、あるいは単発のエッセイをまとめたもの、ということで、世の中の状況の変化などについて語られることもあり、上記の抜粋部分が印象的だった。
「好きになってしまいました。」を読んでみたら、三浦しをん先生の日常、非日常で語られるご自身のこと、ご家族やご友人とのやりとりなどが、ユーモアたっぷりに表現されていた。このほかに、取材先での出会いや思いなどが真摯な気持ちで描かれているのが、その時々で語られる言葉から伝わってくる三浦しをん先生の人柄が、素敵だった。