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【読書感想】死にたい夜にかぎって

読書
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とてもかわいらしいイラストの表紙とは相反するようなタイトル「死にたい夜にかぎって」が、目に留まり読み始めてみたら、ぐいぐいと引き込まれて、あっという間に読み終えていました。

「死にたい夜に限って」爪切男著は、不器用な男性の恋愛エピソードが、過去から現在までを思い出したくないようなことまでも掘り起こすかの如く、いろんなことが絡み合って、爪切男さんという方がいらっしゃるのだな、としか思えないようなことがつらつらと綴られていました。

物心ついた時から、女という存在に苦しめられると同時に、女という存在に誰よりも憧れ続けてきた。

(「死にたい夜にかぎって」本文より抜粋)

良くも悪くも女性に翻弄されてきた爪切男さんだからこその言葉の正直さが、伝わってくる言葉が時たまポロッとこぼれ落ちてくるところに、爪切男さんのやさしさを垣間見ました。

いろんなことに直面しても、結局のところ「まぁ、いいか」という言葉で済ませてしまえる爪切男さんの人間性にも魅力を感じるとともに、爪切男さんが出会ったタクシードライバーさんであったり、ホームレスの方の言葉にハッとさせられるものがありました。

惚れた女性に対する女性との思い出も、恨み辛みなどではなく、愛し愛されていたことが伝わってくるようなエピソードやどうしようもないことすら記述されているところに、男女の関係は綺麗事ばかりじゃないよな、と思える現実が詰まっていて、読んでいて苦しくなるところもありつつも、読み進めていくことでどこか自分も救われるような気持ちすら沸いてくるようでした。

「死にたい夜にかぎって」爪切男著を読んでみたら、心に抱えている弱い部分すら、どこか愛おしさをおぼえるような不器用さを泣いて笑って乗り越えてきた男性の日々を知ることができました。

 

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