「おひとり様作家、いよいよ猫を飼う」真梨幸子著を読んだ。
私にとって、真梨幸子さんと言えば、イヤミス作家のイメージが強い。
その真梨幸子さんのブログや雑誌掲載されたコラム等をもとにしたエッセイが、本書だ。
作家だけでは生活ができなかった時期のアルバイト生活などを綴ったお話もありつつ、猫との暮らしを始めた途端に、文章に多幸感が溢れるような趣になるのだから、人にもたらすペットの存在は偉大だ。
猫に向けた真梨さんの気持ちは、想像に難しくない。
私が実家暮らしの頃、愛犬に向けていた気持ちと重なる部分があった。
真梨さんのような1人と1匹の暮らしだと、なおさら愛情の注ぎっぷりが濃厚だろうと予測する。
猫との暮らしは甘い空気をはらんでいるでいるように思う半面、真梨さんは仕事に関しては、非常にシビアに捉えられていて、そのギャップがあるからこそ、本書を楽しめた。
どんな窮地や出来事も、作品にして昇華させようとする、作家さんならではの物事への捉え方には、怖さと面白さが半々くらいに感じつつ、自分自身も他人から見て、他人だからこそ見えてくるその人の性質もあることを思い出した。
また、本書では金銭面の話、猫との生活のほかに、糖質制限のことが語られていた。
私は、糖質制限について興味があるものの、炭水化物を極端に減らすことで体調管理はどうなるのだろうか、と心配していたので、自分の体質との相性なども含めて、とても参考になる話をいくつも見つけた。
本書を読むことで、売れるまでの作家の生活のこと、ひょんなことから始まった猫との暮らし、糖質制限のことなど、気になることから作家自身のことまで色々と知りつつ、楽しめた。