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【読書感想】積み木シンドローム The cream of notes11

読書
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 毎年12月に発売される、100編のショートエッセイを集めた本のシリーズ「積み木シンドローム The cream of notes11」森博嗣著を読んだ。


 このシリーズも本書で11作目だそうだが、本書では、この数年で変化した国内外の世の中のことも交えた話題も含まれつつ、森博嗣先生の日常などが語れられている。

 本書では、森博嗣先生が結婚されてから奥様を通じて知ったこと、愛犬のことなども紹介されているのが、印象に残っている。他人と一緒に暮らすこと、過ごすことで知ること、気づくことというのは、自分にとって新鮮な驚きや学びをもたらすことが多い。

 森博嗣先生の奥様、そして愛犬は、これまでにもエッセイに登場したことが幾度となく登場しているけれど、本書で愛犬について話題にされていたことは、最近、小型犬の子犬を迎えた私にとって参考になるものがあった。

 大事なことは、褒めるにしても叱るにしても、愛情が籠もっているかどうかだろう。子供も子犬も、大人の言葉や表情や態度から愛情を読み取る能力を持っている。

「積み木シンドローム The cream of notes11」より抜粋

 これは、”「褒めて育てる」神話は、科学的には否定されているが、信仰はまだされている。”というテーマの話からの抜粋だ。この話の中で森博嗣先生が、お子様2人の子育て、愛犬4匹との体験からの内容で、現在、子犬との日々を過ごす私にとってありがたいものだった。

 このほかにも、ところどころで森博嗣先生が愛犬について触れることがあり、どれも良かった。誰かの愛犬についての話というものを、私は今まで以上にここ最近では参考にしたり、目標にしたりしている。どんな話題でも、現在の自分に近しいものが都合よく自分用に解釈されていくのを自らをもって私は体験しているのかもしれない。

 生活においても、仕事においても、人間関係においても、自身の問題を解決する方法を「知る」ことはできない。それは、自分の頭の中からしか出てこないからである。

「積み木シンドローム The cream of notes11」より抜粋

 これは、”「わからない」にはいろいろありすぎて、どの意味なのかわからない。”というテーマの話からの抜粋だ。ここを読んだ時、自分自身について思い返してみると、「わからない」ことや問題が起きた際、キーワードをいくつか入力してウェブ検索し、それらしい解決策を探し参考にすることが多い。また、自分なりに答えを見出しつつある時もそうでない時も、夫に相談することもある。

 けれども、誰かに相談する時には、おおよそ自分の中で答えを導き出していて、まずは自分を安心させたくて、身近な人に声をかけているような傾向がある。森博嗣先生が述べているように、自分が抱えているものを解決するには自分の頭の中から答えを見つけるしかない。

 最後に、「積み木シンドローム The cream of notes11」を読んでみたら、森博嗣先生の発想や気づき、日常から参考にしたいことをいくつか見つけた。自分と異なる発想を持っている人の頭の中にあるもの、日常の何かに媒体を通じて触れることのありがたみを感じた。