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【読書感想】かのこちゃんとマドレーヌ夫人

読書
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 ずっと気になっていたままの作品の1つ、「かのこちゃんとマドレーヌ夫人」万城目学著を読んだ。

 本作品は、小学1年生の女の子、飼い犬・玄三郎、猫のマドレーヌ夫人の物語だ。

 感性豊かな女の子・かのこちゃんが、小学校であることがきっかけで親しくなった、すずちゃんとのやりとりが、とにかく子供ならではの発想からくるようなユーモアがたっぷりで楽しい。ちょっと下品で、おもしろいやりとりを積み重ねて友情を深めていく、かのこちゃんとすずちゃんの関係がいじらしい。

 一方では、マドレーヌ夫人の猫仲間との交流もなかなか興味深い。なんせ、マドレーヌ夫人は、ほかの猫と違って外国語が話せるのだ。その外国語が何を示すのか、というのは本作品を読んだ人のみのお楽しみだ。

 猫のマドレーヌ夫人と、かのこちゃん家の飼い犬・玄三郎の関係というのも、彼らだけにしかわからない繋がりがあって、あることがきっかけで、それに気づくかのこちゃんの鋭さには驚かされつつも、かのこちゃんだから察することができたのかな、とも思えた。

 小学1年生ならではの愉快な日々を過ごしつつも、立て続けに別れを経験したかのこちゃんの姿は、どこか頼もしくて素敵だった。