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【読書感想】蟻の菜園 アントガーデン

読書
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「蟻の菜園-アントガーデン」柚月裕子著を読んだ。

本作品は、結婚詐欺容疑で逮捕された女性について、興味を持ったフリーライターの主人公が素性を追うにつれ、その女性の過去などに意外な一面が出てくる等、幾重にも仕掛けがある。

結婚詐欺容疑で逮捕された女性が、婚活サイトを通じて出会った男性が次々と不審死する、というのは、世間をざわつかせるには十分過ぎる。

その上、容疑者とされる女性は、美人だとなると、交際相手には困らず、不自由ない人生を歩んできたんだろう、と誰もが思うことだろう。

しかし、 主人公が取材を重ねるにつれ、 本作品に登場する前述の容疑者とされる女性は、実父から虐待され続けてきた過去が判明する。

普段、マスコミで取り沙汰される衝撃的な事件について、報道されていることがすべてのように印象づけられる。その事件のバックグラウンドについて、すべての人に理解される、知ってもらおうというのは、難しい。

本作品を読んでいて、世の中の不条理などを少しばかり考えた。