「裸の華」桜木紫乃著を読んだ。
本作は、ノリカという女性が、舞台上で骨折したことをきっかけにストリッパーの世界から離れ、故郷で店を開くことから始まる。
2人の女性ダンサー、バーテンダーを雇い、オーナーとして奮闘し始めたノリカは、誰かを育てることで自分が何を欲しているのかに気づく。
ストリップについて、本作の中では、ストリッパーが女性が見に行きたくなるようなものにしていく、というようなニュアンスで登場人物が表現しているところがあった。
最近、ストリップについて、いかがわしいもの、という風潮は少し変化しているようで、「ストリップを見に行ってきた」という女性をSNSなどで見かける機会が増えているように感じる。
また、作中に様々な音楽のほかに、口にしてみたくなるような食べ物やお酒のシーンが想像力をかき立てられた。
仕事の後の疲れた心身に、おにぎりや豚汁は、さぞ美味しいだろうし、主人公を始め、登場人物たちは、楽しい時も、悲しい時も、なにか決断する時にも、それらを口にしていた。
人と人とのやりとりも良いが、人に寄り添うようにある食べ物や飲み物などが表現されている作品は、登場人物たちやその舞台となっているものなどをより一層魅力的にしてくれる。
本作を読み終えてみて、これから 私は どう生きていくか、ということを考えてみるきっかけにもなるし、ストリップを観に行ってみたいと思うようなストリッパーやその周囲の人々の生き様が描かれている作品だった。