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【読書感想】自殺予定日

読書
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「自殺予定日」秋吉理香子著を読んだ。

本作品は、父が再婚後、1年半足らずで急死したことで、父の死因に疑問を持った主人公が、継母が父を殺したのではないか、と思い、自ら死ぬことで継母のしたことを世間に知らせようとすることから始まる。

主人公が、自殺を決行しようすると、自殺に選んだ場所が自殺の名所として知られていた為、近隣住民が自殺防止策を取っていたことから、自殺を遂げられなかった。

しかし、その時、主人公は、以前自殺したという幽霊の少年と出会ったことから、自殺予定日を取り決め、それまでに継母の罪を暴くことを約束する。

自殺予定日まで主人公は、宿泊先の旅館を拠点にしつつ、両親から学んだ六曜や風水を取り入れて、実家で継母が隠す証拠探しを始める。

それと同時に、朝晩と旅館の食堂で食事をしていると、これまで料理に携わる両親の元で育ってきた主人公ならではのマスターの料理の凝りように気づき、言葉を交わすようになる。

読んでいくうちに、本当に継母が父を殺したのではないか、と確信するようなシチュエーションがあったり、父の友人ですら疑わしく思えたりしてくる。

主人公は、地縛霊だという少年とのやりとりをしていくことで、継母とのこと、学校での友人との亀裂などをどう解決するかが、六曜や風水頼みだけではいけないことを本当の意味で理解し始める。

また、あるきっかけから主人公は自分の立場からばかり物事を見ていたことに気づき、他者の立場から物事を考えてみると、見える景色が変わることにも気づく。

「自殺予定日」を読んでみたら、ラストまで気が抜けない展開ばかりで、一気読みした。