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【読書感想】忌木のマジナイ 作家・那々木悠志郎、最初の事件

読書
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 シリーズ第3作目、「忌木のマジナイ 作家・那々木悠志郎、最初の事件」阿泉来堂著を読んだ。


 前作「ぬばたまの黒女」についての感想は、こちら↓

 それでは、「忌木のマジナイ 作家・那々木悠志郎、最初の事件」について、語っていきたい。

 本作品では、ホラー作家・那々木悠志郎の担当編集になったばかりの久瀬古都美が、那々木が初めて体験した怪異についての未発表作品を読むことになったことから、ストーリーが進んでいく。

 久瀬古都美が、那々木の作品を読み始めた途端、その作品で描かれている怪異とよく似た怪異が彼女の目の前で起き始める。久瀬古都美が那々木の作品を読むほどに、彼女に近づく怪異の存在がある。彼女が、その様子を那々木に伝えるものの、那々木は作品を読み進めることが解決への近道である、というようなことを言うばかり、というのも彼女からすると恐怖と苛立ちが加速するばかりだよな、と思いながら私も読み進めた。

本作品では、那々木悠志郎の姿が、前作までの様子とはやや違って見える部分も描かれている。タイトルにだってそう書かれているのだから、嫌だって想像がつく。けれども、彼の過去について多少なりとも知ってしまうと、那々木悠志郎という人がどんなものを抱えているのかを考えてしまう。

 「忌木のマジナイ 作家・那々木悠志郎、最初の事件」を読んでみたら、那々木の未発表作品で描かれているもの、担当編集の久瀬古都美の過去にまつわることや怪異のこと、那々木悠志郎の過去が後半であれよあれよと繋がったり、回収されていく様は見事だった。