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【読書感想】六人の嘘つきな大学生

読書
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 気になったままでいるよりも、文庫化されたことをきっかけに「六人の嘘つきな大学生」浅倉秋成著を読んだ。


 本作品は、あるIT企業が行った初めての新卒採用で、最終選考に残った六人の大学生が、決められた時間内に”たった一人の内定者”を決めるという課題を出されたことで、とんでもない事件が起きてしまう、というようなストーリーだ。

 最終選考の課題内容が変わるまでの六人の大学生達のやりとりは、就活生ならではの会話などがありつつも、皆揃って同期として入社することを願う良い仲間になっていくようでもあった。

 それが、最終選考の内容が変更され、最終選考の当日、人事担当者に案内された部屋で、課題が始まった途端、謎の白い封筒があることに気づき、その中身によって六人の関係が崩れていく様は読んでいる私もドキドキした。

 本作品では、六人の大学生がその後、社会人になってから語られること、それぞれの知り合いが語る登場人物達の印象のことなどが、あの最終選考でのそれぞれの秘密の暴露を仕掛けた犯人のことだとかが裏付けされていく。このあたりは、人はそれぞれに良い面も悪い面もあるし、どこか少しだけを見ただけで誰かの人柄などを決めつけるのは乱暴すぎるかもしれないなどと考えさせられた。

 「六人の嘘つきな大学生」を読んでみたら、就活生ならではの心理状態だとか、社会人になってから思うことなどが描かれていて、細かなところまで小気味良く伏線回収されていくミステリー作品だった。