スポンサーリンク

【読書感想】怪を語れば怪来たる〜怪談師夜見の怪談蒐集録

読書
この記事は約2分で読めます。

 書店のオンラインストアを眺めていたら、おすすめ本として表示され気になったことから、「怪を語れば怪来たる〜怪談師夜見の怪談蒐集録」緑川聖司著を読んだ。


 本作品は、家賃の安さで決めたアパートに引っ越した西野明里が、引越してきた夜から壁を叩く音に悩まされることから始まる。西野明里が不動産屋に相談しても、部屋が事故物件ではないこと、隣室も下も空室であることを説明されるのみだった。その後も1週間ほど壁を叩く音に悩んでいたら、ある夜、高校の同級生の美佳に会い、愚痴をこぼしたところ、美佳から怪談師の夜見に相談することを提案された。

 西野明里が引っ越してきたばかりの部屋で起きている困りごとを怪談師の夜見にメールし、実際に会うことになり、話は聞いてもらえるけれど、お祓いをしてもらえるわけではないことにガッカリする西野明里だったが・・・。

 この出会いがきっかけで、怪談師の夜見の助手のようなことをすることになった西野明里は、自分自身にも霊感があることを知り、怪談集めをするうちに霊感が高まっていることも体感していく。

 怪談師の夜見が、霊感があってもお祓いはできないとは言いつつも、西野明里が持ってきた怪談話について、勘の鋭さも合わさった謎解きのようなもので解決していくのは爽快感すらあった。

 この数年くらい、本作品で描かれているような怪談師を見かける機会が、イベントに限らず、増えている。かく言う私も、怪談師の著書などを読んだり、動画などで見るのが好きだ。本作品を読むことで、怪談師の地道な怪談集めだとか、怪談をイベントなどで語るためにパフォーマンスを磨く練習を欠かさないであろうことを想像してみたりした。